HSPなPJMは、目的・目的を強く意識しよう


この記事はHSP傾向があり、プロジェクトマネージャーを任された方向けの記事です。
今日はプロジェクトの目的,目標について説明します。
 
結論
 

目的とは”あるべき状態”、目標とは”目的に向かう上で目指す目印”

 
プロジェクトは始める際にまず定めるべきは目的と目標です。しかし、意外にこの目的と目標が曖昧だったり、関係者の中で十分に共通認識を取れてない場合があります。
 
例えば上層部がある問題に大きな関心を寄せており、至急解決策が期待されているとします。そのような背景で立ち上がったプロジェクトは、最初の段階こそ上層部の支援を受けて一気に進みますが、その関心が薄れると着地地点を失いがちです。
 
 
そうならない為にも、まずは目的と目標をしっかり定めておく必要があります。そして目的と目標の定義は以下です。
 
・目的: あるべき状態
・目標:目的に向かう上で目指す目印
 
目的はあるべき状態を指します。よって一つしかありません。目標はそこを目指す為の目印です。よって複数あります。
 

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目的を定めるのは大変

”あるべき状態”を定義するのは単純な作業ではありません。個人や家庭でしたら人数も少ない為、比較的容易ですが、大勢が関わる会社では難易度が上がります。
 
そこで、目的を定める第一歩として、プロジェクトに関わる以下を明文化しましょう。この5つに応える事によって目的のアウトラインを整理できます。
 
Q1;会社,組織が欲しいものはなにか?(WHAT)
Q2;なぜそれが欲しいのか?(WHY)
Q3;いつぐらいまでに欲しいのか?(WHEN)
Q4;いくらぐらい必要なのか?(HOW MUCH)
Q5;どうやったら手に入るのか?(HOW)
 

目標は定量的かつ具体的に決める

 
目的を設定した後は目標を設定します。目標設定において意識するべきは、定量性と具体性です。
 
悪い例:他社と同価格帯の新機種スマホを作る
 
良い例:2021年12月までに、企画×課がPMとなり、自社製造ラインを利用して、他社と同価格の5万円でカメラは××画素、スクリーンの大きさは××、カラーは3種のスマホを、原価3万で作る
 
最低限の情報としてWhen(いつ),Who(誰が),Whom(誰に),What(何を),How(どのように),How much(いくら)は含まれているべきでしょう。
 
必要な情報がプロジェクトメンバーに伝わらないと、不要な作業や方向性を間違えた作業が行われ、貴重なリソースを浪費してしまいます。
 

目的,目標は臆せずステークスホルダーと話すべき

 
目的と目標はステークスホルダーに強く共有するべきです。たとえばプロジェクトに関連する知識を持っている専門家に伝えたり、社内のプロジェクトを横断的に理解している有識者に相談する事で、新しい情報を得られ、情報に応じて目的や目標の修正が可能になります。修正は早期であるほどにプロジェクトリソースの有効活用につながります。
 
また、目的と目標はプロジェクトメンバーにも何度も強く共有されるべきです。よくあるたとえ話ですが、一人のレンガ職人がレンガを造る仕事を「金を稼いでいる」と考えるか、「質の良い煉瓦を造っている」と考えるか、「世界一の塔を建てている」と考えるかは、掲げられている目標とその理解度に依存します。
 
では、”何回伝えると十分なのか?”と疑問が湧きますが、よく言われるのは平方根ルールです。
 
・プロジェクトメンバー4人体制:4の平方根で2回
・プロジェクトメンバー10人体制:10の平方根で3.15、繰り上げして4回
・プロジェクトメンバーが100人:100の平方根で10回
 
上に記載の回数伝えれば十分だという事ではありませんが、目的はなにか?具体的で定量的な目標は何か?を定め、ステークスホルダーに周知するのはまさにPJMの仕事と言えるでしょう。
 
特に、HSP傾向のあるPJMにとって目的・目標設定は一層大切な作業になります。一度プロジェクトが走り始めると、予想もしない事が発生します。ステークスホルダーが新しい要件を要求したり、プロジェクトメンバーからプロジェクトに関わる大きな問題が挙げられたりされます。
 
そんな時に繊細で他者の感情に気を遣いがちなHSPは、迷いや心理的な葛藤を抱えてしまいがちです。それでもブレずにプロジェクトを遂行していく為、立ち返る場所としての目的と目標が重要になります。
 
時に目的と目標を定める作業は時間がかかり、ステークスホルダー間の交渉が必要な苦しい作業ですが、その後のプロジェクトの円滑な運営の為、手を抜くことなく丁寧に進めましょう。
 
今回は以上です。
読んで下さりありがとうございました。